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我妻のエピソード 3 / 角田昌夫 お勧めの旅
角田昌夫お勧めの旅
我が妻のエピソード-3
5.妻がキスされた
ヨーロッパでは男性が、別れに際して女性の手にキスする習慣があります。何度かのヨーロッパ旅行で、妻が男性から手にキスされた場面を見ました。1976年の東ヨーロッパ旅行では、トルコまで足を伸ばしました。帰りのオリエント急行で、ポーランドの男性3人組とコンパートを同室しました。彼らは実にユニークな連中で、ずっと旅を伴にしました。6人部屋の車室で出会った彼らは、最下段のベッドを「ここは奥さん用に」と決めてくれました。英語を話さない彼らとは、あやふやな私のロシア語で応答しました。小柄なアンドレは技術者だと言って、開かない窓を器用に治してしまいました。小太りのアンジェイは、何事にも鷹揚でニコニコと応対してくれました。長身で痩せ型のボリスは、知的でもの静かによく話しをしました。特に私が「アウシュビッツ(オシベンチェム)」を話題にすると、彼は「ヒロシマ・ナガサキ」を話題にしました。お互いに以心伝心で、「平和が大切だね」と確かめ合いました。途中の駅からユーゴスラビア(当時の国名)のオジサンが乗ってくると、アンドレが嬉しそうに「インテルナチョナーレ(国際的だ)!」を、連発していました。オリエント急行と言えど、もはやローカル線で食堂車がありません。私たちは持参のパンやトマトを分け合って、仲良く食べました。一日一晩走って、列車はユーゴスラビアの首都「ベオグラード」に着きました。私たちはここで降りので、ポーランドの3人組に別れを告げました。私が一人一人に握手をした後、長身のボリスが突然妻の手をとりキスをしました。ヨーロッパの習慣に慣れない妻は、慌てて手を引っ込めました。ボリスは「これが習慣だ」とばかり、平然としていました。多少でも知り合った女性には、手にキスを習慣のようです。他の機会にも、妻は何度か男性からキスをされました。それどころか、この私もハンガリーの車内で男性から頬にキスをされたことがあります。相手が熊のような大男だったので、思わず身が引けていました。昨年のイギリス旅行でも、お別れに親友リンダが妻の頬にキスをしていました。さて私はと期待しましたが、男性の私だけにリンダは「ハグ(抱き合う)」だけに留めました。それにしてもリンダの胴回りはなかなか太くて、私の手が合わさりませんでしたよ。
ペニン山中の「ハダースフィールド駅」に、リーズ行きのディーゼルカーが停まっていました。
妻は元気だ!
その妻も、今は早や60+α歳になりました。妻は相変わらず元気で、毎朝ラジオの英会話を勉強しています。先日も我が田舎の喜多方で、外人夫婦と出会いました。ご主人はオーストリア人で、奥様はイギリスのウェールズ出身とのことでした。さっそく意気投合して、同じバスに乗ったので途中下車を勧めて我が家に招待しました。会話は英語で進めましたが、妻も中に入り会話に融け込んでいました。さて我が妻の次なるエピソードは何か、乞う続編というところでしょうか。
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